ITサービス業界に営業変革が求められている理由とは|変革のポイントを解説
昨今では、さまざまな外的要因・内的要因によりITサービス業界に対して大幅な営業変革が求められています。営業変革のニーズに対して、どのように対応するべきか悩んでいるITサービス業界の方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、営業変革が求められている理由から具体的な実現方法まで、詳しく解説していきます。本記事を読むことで、ITサービス業界における今後の営業体制を把握することが可能です。
営業体制にいち早く変革をもたらし、対策を打ちたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.ITサービス業界に営業変革が求められている要因
- 1.1.外部環境の変化
- 1.1.1.例① ソリューションの多様化
- 1.1.2.例② 顧客ニーズの多様化
- 1.2.内部環境の変化
- 1.2.1.例① 新規入社者の増加
- 1.2.2.例② 商材や提案内容の変化
- 2.営業変革のために解決しなければいけない「何を」「誰に」「どのように」の課題
- 2.1.「何を」御用聞きの営業
- 2.2.「誰に」TOP営業の限界
- 2.3.「どのように」営業プロセスの属人化
- 3.営業変革を実現する方法
- 3.1.「何を」を変革するポイント
- 3.1.1.トレンドや事例を用いて顧客の理想を定義
- 3.1.2.トレンド提示のポイント
- 3.1.3.事例提示のポイント
- 3.2.「誰に」を変革するポイント
- 3.2.1.社内相関図やソリューションの導入状況の可視化により多面的な営業を実施
- 3.2.2.社内相関図作成のポイント
- 3.3.ソリューション導入状況の整理のポイント
- 3.4.「どのように」を変革するポイント
- 3.4.1.営業プロセスを定義して型化
- 3.4.2.営業プロセスを定義する際のポイント
- 3.4.3.営業プロセス改善のポイント
- 4.営業変革を起こすにはデジタル化が有効
- 5.まとめ:ITサービス業界の営業変革のためにデジタル化の検討を
ITサービス業界に営業変革が求められている要因
ITサービス業界に営業変革が求められている要因は、外部環境だけではなく内部環境にもあります。
以下で解説するので、あらかじめ要因を把握しておきましょう。
外部環境の変化
外部環境では、このような要因がポイントです。
- ソリューションの多様化
- 顧客ニーズの多様化
ITサービス業会では、多様化していく社会に合わせて対応する必要があります。
例① ソリューションの多様化
外部環境の要因としては、ソリューションの多様化が挙げられます。
これまでは、顧客の要望に沿ってカスタマイズしたハードウェアやソフトウェア、ミドルウェアなどを提供するのが主流でした。
しかし、昨今ではすぐに使えるSaaSやパッケージが市場を占めてきており、求められる形が変化してきているのが現状です。
例② 顧客ニーズの多様化
また、顧客ニーズの多様化も顕著になってきています。
- ビジネスプロセスの標準化
- 分散したデータの統合化・戦略的活用
- ツールによる業務オペレーションの効率化
- 老朽化したシステムのモダナイゼーション
このように、テクノロジーでの解決が求められているニーズは複雑かつハードルが高いです。
業務の効率化や事業変革など、経営目標を達成するためにIT投資をするケースが増えています。
内部環境の変化
外部環境だけではなく、身近な内部環境も変化しています。
- 新規入社者の増加
- 商材や提案内容の変化
このような状況を踏まえ、ITサービス業界での営業変化を推進していくことが必要です。
例① 新規入社者の増加
昨今は「大転職時代」と言われるほど労働者の流動性が上がっており、特にITサービス業界の新規入社者が増加しています。
これまでは5年や10年と長い時間をかけ、新規入社者を育成してきました。また、同様に顧客との関係性も長い時間をかけて構築するスタイルが主流でした。
しかし、人材が流動的な昨今においては、新規入社者を一人一人じっくりと育成するのではなく、即戦力化する効率的な手段が必要です。
例② 商材や提案内容の変化
ソリューションの多様化に伴い、商材や提案内容の変化も要因として挙げられます。
前述した通り、これまでは顧客の要望に沿って提供する受託開発が主流でした。しかし、昨今ではSaaSやパッケージを組み合わせた「提案」型の営業体制に変化しています。
顧客の現状を把握し、適切な商材を提案していくことが今求められている営業スタイルです。
営業変革のために解決しなければいけない「何を」「誰に」「どのように」の課題
営業変革のために解決しなければいけない課題は、主に以下の3点です。
- 「何を」御用聞きの営業
- 「誰に」TOP営業の限界
- 「どのように」営業プロセスの属人化
それぞれの課題点を、詳しく見ていきましょう。
「何を」御用聞きの営業
要件を聞いて合わせる、御用聞きの営業スタイルは成果が出にくくなっています。なぜなら昨今の顧客ニーズの多様化に伴い、顧客自身も何が正解なのか分かっておらず曖昧だからです。
そのため、顧客の理想と課題をこちらから示唆しなければいけません。十分な情報収集の上「こうしたらいい」と提案をすることで、商談をスムーズに進めることができます。
「誰に」TOP営業の限界
CIOや企業のキーマンと関係性を構築するTOP営業は、もう限界を迎えています。これまでは、システム開発のプロジェクトにかけるコスト・規模が大きかったため、企業の上層部にアプローチすることが重要とされてきました。
しかし、昨今ではSaaSの導入に伴い、IT業界全体でシステムの導入費用が下がっているのが現状です。業務部門のみで導入をリードすることもあるため、アプローチする層を今一度振り返る必要性があります。
「どのように」営業プロセスの属人化
営業プロセスの属人化は、流動的なこの時代に合っていません。人材が次々入れ替わるため、自社の文化や営業方法を長年かけて教えるのが難しいです。
経験の浅い社員でも短期間で成果を挙げられる仕組み化が、ITサービス業界の会社全体に求められています。
営業変革を実現する方法
それでは、課題を解決し営業変革を実現するためには具体的にどうすれば良いのでしょうか。
ここでは、国内・海外の先進企業の調査を基に、先述した「何を」「誰に」「どうやって」の課題に分けてポイントを解説していきます。
「何を」を変革するポイント
「何を」を変革するポイントは、御用聞きではなくコンサルティング営業をすることです。
- 顧客の現状をヒアリング
- 顧客にとっての理想を定義
- 理想と現状を比較し課題を提示
- 課題を解決する糸口として自社の商品の価値を提案
下請けではなく顧客と同じ立場のパートナーとして、一緒に歩んで理想と現状のギャップを埋めていくイメージです。
トレンドや事例を用いて顧客の理想を定義
コンサルティング営業では、顧客からの要望にとどまらず、さまざまな情報を用いて顧客にとっての理想を定義することが重要です。
しかし、頭では理解していても理想の定義は難しいと感じる営業社員も多いです。顧客と対等である必要があるので、顧客の業務や経営的視点を理解していなければいけません。
そこで活用するナレッジが、トレンドや事例です。会社であらかじめ準備して活用することで、理想の定義が簡単になります。
トレンド提示のポイント
トレンドでは、CXOの意識がどのように変化しているかを提示することが効果的です。
トレンドは時系列で表やグラフにし、国内・海外の比較による抽出も行います。「去年はこのような変化が見られた」「海外と日本の先進企業の違いは?」など、いくつかの視点でトレンドを見据えます。
経営的視点を持つことで、顧客と同じ立場に立って話すことが可能です。トレンドを用いて、顧客が現在直面している課題や理想を明確にしましょう。
事例提示のポイント
事例提示のポイントは、業務変化や経営インパクトを含む事例を持っていくことが大切です。定量的であれば、顧客にとってもイメージしやすくなります。
事例は、システム導入の経緯→業務変化→経営インパクトの順で説明するのが効果的です。システムを導入することで現場の業務が変わり、具体的にどのような成果につながったのかを解説しましょう。
また事例の提示だけにとどまらず、顧客の推進体制まで踏み込みます。成功できるパターンを複数提示し、一緒に考えていくことがソリューション営業で重要なポイントです。
「誰に」を変革するポイント
「誰に」を変革するポイントは、多面的な営業を実施することです。
IT部門の上層部だけではなく、他の部門や関係者と関係を構築していくことが必要不可欠となります。
社内相関図やソリューションの導入状況の可視化により多面的な営業を実施
多面的な営業活動には、社内相関図やソリューションの導入状況を可視化することが重要です。
色々な部門にアプローチするためには、各部門に合った知識が必要です。1人では情報を集めきることが難しく、複数の部門をカバーできません。
そのため、可視化に当たって自社もチームで対応していく必要があります。それぞれの情報を集め、サポートし合うことで効果的なナレッジが完成します。
社内相関図作成のポイント
社内相関図を作成する際のポイントは、組織図だけではなく各関係者の役割・関係性・志向性などを可視化することです。
効果的なアプローチができるように、内部的な関係性を俯瞰し共有しましょう。
また、各関係者は「Economic Buyer」「Champion」「Enemy」「User Buyer」「IT Checker」の5種類に大きく分かれます。
中でも、自社のプロジェクトに肯定的である推進者の発見が重要です。社内の情報や意見を積極的に聞けるため、社内相関図でのキーマンとなりえます。
ソリューション導入状況の整理のポイント
ソリューション導入状況を整理する際のポイントは、関係者の情報を拡充することです。
今の企業はSaaSによる影響で、事業部単位で別のツール・システムを使うのが当たり前になっています。
そのため、各部門ごとの状況を把握して新商談の可能性を把握することが大切です。取引のある顧客に対し、他部門や他領域での導入状況をヒアリングして可視化しましょう。
「どのように」を変革するポイント
「どのように」を変革するポイントは、属人化を無くすことです。
顧客のニーズや商材が多様化している中、経験の浅い社員でも一定の質を保った営業活動をしていくためには以下のことが重要です。
営業プロセスを定義して型化
営業スキルの底上げには、営業プロセスを定義して型化するのが効果的です。
これまでは、個人の経験に基づいて別々の営業プロセスで活動するスタイルが主流でした。
成果が出にくい属人化を無くすためには、誰でも短期間で習熟できる体制を整えていく必要があります。
営業プロセスを定義する際のポイント
営業プロセスを定義する際は、活用する資料まで設定しておくのがポイントです。
営業プロセスやフェーズを定義しても、いざ実践に移すと型になっていないケースがあります。例えば、伝えることを型として決めていても現場では抜け落ちてしまうことなどが挙げられます。
そこで、各プロセス・フェーズごとの使用する資料まで決めて型から落ちることを防ぎましょう。
資料を読みながら説明すれば、一定の質を保ちつつ社員が同様に重要なメッセージを顧客に伝えることが可能です。
営業プロセス改善のポイント
営業プロセス改善のポイントは、数値化することです。顧客のニーズは変わっていくので、時代に合わせてその都度改善していく必要があります。
効果的に改善するためには、ソリューションごとに商談合意から契約合意までの推移律などをパーセンテージで表し、定量的に捉えましょう。
また、商談のデータは数値やチェックボックスを使って直感的に入力できるものが好ましいです。
営業社員が入力しやすい上、分析や収集がしやすいデータを蓄積できます。
営業変革を起こすにはデジタル化が有効
営業変革を起こすためには、デジタル化が有効的です。本記事で解説した「何を」「誰に」「どのように」における課題を、デジタル化によって解決できます。
「何を」:必要なときに適切な事例やトレンドをすぐに提示
「誰に」:顧客情報を管理・共有してアプローチ方針を明確化
「どのように」:商談に応じたナレッジの表示とデータ分析
ここでは、上記すべての変革が実現できるナレッジワークについて詳しく解説します。
ナレッジワークを導入すれば営業ナレッジのデジタル化が可能
ナレッジワークを導入することで、営業ナレッジをデジタル化し効果的な営業活動ができるようになります。
ナレッジワークでは商談における顧客の現状を分析し、商談ごとに適切な資料を提示してくれます。ハイパフォーマーが使っている資料も共有できるため、標準化と商談の質の底上げが可能です。
また、持参した事例が合わなかったときや詳しくない商材に関して質問をされたときも、ナレッジワークを使えば容易に適切な対応を取ることができます。
業界や規模感、キーワードなどで資料をすぐに絞り込みできるため、その場でナレッジワークを開くことで新人社員でもスムーズなコミュニケーションが可能です。
スピーディーに臨機応変な対応が取れるので、顧客の信頼感を獲得し良好な関係性を構築できます。
まとめ:ITサービス業界の営業変革のためにデジタル化の検討を
本記事では、ITサービス業界の営業変革について解説しました。
営業変革が求められている昨今では、適切な方法で営業体制を整えていかなければ高い成果は望めません。
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3分で分かるナレッジワークの資料もご用意しておりますので、営業変革を検討している方は、ぜひダウンロードしていただき、ナレッジワークを導入してみてください。