日本通運が目指すNEW SALESとは 営業組織変革の道のり 後編


「営業・販売」に携わる人は、労働人口の10%以上を占めますが、日本企業の営業生産性は、全業種でグローバル水準を大きく下回っています。そのようななか、営業変革に取り組む企業があります。

本セミナーでは、日本通運株式会社古江氏とSansan株式会社の平良氏にご登壇いただき、営業組織の変革についてお話を伺いました。

本記事では、セミナー後半の内容として、日本通運株式会社様のセールスイネーブルメントに関する取り組みを紹介します。また、セミナーで行われた質疑応答もまとめているので、最後まで読んでみてください。

■イベント実施日
2023年11月4日 (火)

■スピーカー
株式会社ナレッジワーク
専門役員/Principal
桐原 理有

2001年 法政大学経営学部卒業
2004年 株式会社ワークスアプリケーションズ入社
               大手法人営業に14年間従事
               売上合計金額・顧客単価は、当時の同社史上最高を記録
2022年 スタートアップ2社にて執行役員を務めた後、株式会社ナレッジワーク入社
               フィールドセールス職に従事


日本通運株式会社
取締役 常務執行役員 営業戦略本部長
兼 専門輸送事業本部長
兼 ネットワーク事業本部長
古江 忠博 氏

1985年、日本通運株式会社へ入社。主に国際航空貨物業務に従事し、東京・名古屋・ロンドン・シカゴ・シドニー・香港・メキシコシティーで勤務。海外駐在歴は通算17年に及ぶ。メキシコから帰国後の2016年に関東甲信越ブロック統括部長、2018年に経営企画部長、2019年に執行役員中部ブロック地域統括兼名古屋支店長を歴任。
2022年からは営業戦略本部長として「データドリブン営業マネジメント変革」に取り組んでいる。2023年1月には、セールスイネーブルメント部を立ち上げ、営業パーソン全員が売れるようになる仕組み作りを主導している。


Sansan株式会社 
Sansan事業部 ストラテジックアカウント営業部
シニアマネジャー ストラテジックアカウントエクゼクティブ
平良 暁裕 氏

2007年、株式会社ワークスアプリケーションズに入社。
営業やマネジメント業務に従事、既存顧客に特化した新組織の立ち上げに参画しソリューションの展開を経験。
2019年、Sansan株式会社にエンタープライズ領域のマネジャーとして参加。
Sansanサービスの展開を加速させている。

※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は記事作成当時のものです。

目次[非表示]

  1. 1.プロアクティブ・ソリューション営業
  2. 2.セールスイネーブルメントを始めた背景
  3. 3.セールスイネーブルメント部
    1. 3.1.取り組みの優先順位
    2. 3.2.ナレッジ領域への取り組み
  4. 4.質疑応答
    1. 4.1.「お願い営業」から「ソリューション営業」への転換で工夫した点
    2. 4.2.評価制度によっては、ハイパフォーマーが自分の知識を隠すのは合理的な行動だと思う。ナレッジマネジメントをどのように評価手法に組み込んだのか
    3. 4.3.営業において、社内のみならず、顧客を巻き込むためのコツ
  5. 5.まとめ:ナレッジ蓄積に役立つナレッジワーク


プロアクティブ・ソリューション営業

日本通運 古江氏 当社は、先を見通すことのできない時代に合った新しい営業スタイルとして、従来型ソリューション営業をプロアクティブ・ソリューション営業に進化させました。

プロアクティブ・ソリューション営業では、同業界における他の事例などから、顧客の「ありたい姿」の仮説を構築し、そこから解決すべき課題を逆算で設計し、それに対するソリューションを提案します。

プロアクティブ・ソリューション営業を実現するステップを細かく分けて一つひとつ進め、営業を変えるツールとしてSansanを導入しています。また、ツールを現場に浸透させるために「推進体制の構築」と「経営層の積極利用」を重視しました。

このように新しい営業スタイルを実現する初期的な取り組みを終えた後、当社はセールスイネーブルメント(営業を強化、支援する取り組み)に着手します。

本セミナーの前半および中盤についてまとめた記事では、プロアクティブ・ソリューション営業をさらに詳細に解説しています。

日本通運が目指すNEW SALESとは 営業組織変革の道のり 前編
日本通運が目指すNEW SALESとは 営業組織変革の道のり 中編


セールスイネーブルメントを始めた背景

日本通運 古江氏 当社には、2009年にSalesforceを導入し、その後6〜7年で完全に使うのをやめたという失敗の経験があります。当時は、営業において属人的な勘と経験が重視されており、それらに基づいて成果を挙げるハイパフォーマーが沢山いました。

それらのハイパフォーマーに対して、なぜ知見を社内に共有する必要があるのかを整理しないままツールだけ導入してしまったことが失敗の原因です。

このような失敗を回避し、ツールの導入を業務の効率化や営業の仕事の喜びにつなげるためには、情報やナレッジを社内全体で使えるように整理する必要があると考えました。このような考えが、セールスイネーブルメントという言葉で整理できました。

このような経緯があり、当社は2023年1月にセールスイネーブルメントを進める専任組織として、セールスイネーブルメント部を立ち上げています。

セールスイネーブルメント部

日本通運 古江氏 セールスイネーブルメント部は8人の組織です。エリアごとに推進担当者を配置し、本社のミラー組織を各エリアに作り、現場への落とし込みや営業に対する支援を進めています。

当社には営業企画や営業推進の業務に従事するメンバーもいましたが、セールスイネーブルメントを推進するためには専任組織が必要だと考えました。

はじめは「セールスイネーブルメントって何?」という現場の声も多かったのですが、あえて日本語にも訳さず、新しい取り組みを進めるという決意も込めて「セールスイネーブルメント部」という名称で立ち上げました。


取り組みの優先順位

日本通運 古江氏 セールスイネーブルメント部では、取り組みに優先順位をつけています。

「ナレッジ領域」「ラーニング領域」「ワーク領域」「ピープル領域」があるなかで、受容性と即効性の高い「ナレッジ領域」から着手しました。

また、現在はワーク領域にも着手しており、2024年に改めてSalesforceを導入します。仕組みを動かすために情報を可視化するツールが必要なので、営業フェーズを再設計し、フェーズごとに取るべきアクションを書き起こし、これらをSalesforceに組み込もうと考えています。Salesforceの導入は一度失敗しているため、「営業するためにはSalesforceがないといけない」というメッセージを伝えていくつもりです。

その後は、スキルを可視化するラーニング領域、人材育成につながるピープル領域にも取り組んでいく計画があります。

ナレッジ領域への取り組み

日本通運 古江氏 当社では、ナレッジ領域への取り組みを進めるために「ナレッジワーク」を導入しています。ナレッジワークの活用においては、初期画面の設計に頭を悩ませました。現在は、営業フェーズごとに整理する形に落ち着いています。

プロアクティブ・ソリューション営業を行ううえでは、他社に提案した事例も参考になります。また、半導体不足や物流の2024問題のような社会課題からソリューションを考えることもあり、当社として提供できるプロダクトからソリューションを考えることもあります。

これらの情報を整理し、新しく提案書を作成するフェーズでは、参考になるイラスト集や見積書の雛形へアクセスしやすくなるような設計にしています。クロージングのフェーズであれば、契約書にアクセスしやすくしています。

現在は全国のお客様に対する提案書が1,400件ほどナレッジワーク上に集まっています。

ナレッジワーク 桐原 お話を聞いて、現場の方々がツールを使いこなせるようにセッティングしていくことが重要だと感じました。

質疑応答

ここからは、セミナーで行われた質疑応答を紹介します。

「お願い営業」から「ソリューション営業」への転換で工夫した点

日本通運 古江氏 私たちは、お願い営業を否定しているわけではありません。今回作り込んだ営業フェーズでも、提案した後の最後のひと押しについては「寝技・立ち技・泣き落とし」と書いています。

そのうえでソリューション営業への展開を図るためには、これまでの営業の変遷を理解し、過去の営業スタイルを否定せずに、限界について丁寧に示すことが大切だと思います。

評価制度によっては、ハイパフォーマーが自分の知識を隠すのは合理的な行動だと思う。ナレッジマネジメントをどのように評価手法に組み込んだのか

日本通運 古江氏 当社は、まだナレッジマネジメントを評価に組み込めていません。しかし、誰がどの情報をツールに書き込んだかは可視化されています。

そのため、会社としての人事評価の前に、周囲のメンバーや上司から「この人は情報を丁寧に書き込んでくれている」という形で自然に評価される場面があると考えています。また、ハイパフォーマーに知識を共有してもらうためには、入力の必要性を繰り返し伝えることが重要だと思います。

ナレッジワーク 桐原 外資系の企業では、ナレッジマネジメントを重要なものとして評価制度に組み込んでいます。プロジェクトの最終的な結果をどれだけアウトプットして、シェアしたかが確認されています。しかし、ナレッジの共有にハードルがあるのは事実なので、ナレッジワークとしてもさらに工夫していきたいと思います。

営業において、社内のみならず、顧客を巻き込むためのコツ

Sansan 平良氏 顧客を巻き込むためには、顧客の会社の社員になったかのように顧客の課題や目標について考えることが重要です。私の場合は、日本通運様の社員になったかのように、古江さんの配下にいるかのように考える視点があると良いでしょう。

社内のステークホルダーを巻き込むのであれば、やりたい施策について、なぜ必要で、なぜ今実施すべきかの説明責任を果たすことが重要だと思います。

ナレッジワーク 桐原:ここまでお二人とも、大変学びのあるお話をありがとうございました。

まとめ:ナレッジ蓄積に役立つナレッジワーク

本記事では、日本通運株式会社様のセールスイネーブルメントに関する取り組みを解説しました。

日本通運株式会社様では、優先順位をつけて「ナレッジ領域」「ラーニング領域」「ワーク領域」「ピープル領域」の4つの領域に関する取り組みを進めています。

営業組織の変革に活用できる実現するツールにはさまざまなものがありますが、「ナレッジワーク」は顧客のために使う時間を増やすツールです。ナレッジワークでは、サムネイル形式で資料の内容を確認でき、資料のなかの文字を検索することもできます。また、初期画面を自社に合った形に設計できます。

ナレッジワークには、他にもさまざまな機能があるため、3分でナレッジワークでできることがわかる資料から、ぜひ見てみてください。​​​​​​​



ナレッジワーク 編集部
ナレッジワーク 編集部
セールスイネーブルメントや営業DX、営業生産性の向上に関するコンテンツを発信しています。弊社のナレッジやイベントレポートを通して、日本の営業組織変革のお役立ちできる情報をお届けします。

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