営業生産性を向上させるための業務・組織の「分解」とは?大手企業の事例を紹介!

日本の労働人口は年々減少しており、従来の「とにかく人を増やして売上を伸ばす」といった営業組織の勝ちパターンが通用しなくなっています。こういった背景から、営業生産性の向上が企業にとってますます重要な課題となり、限られたリソースを最適に活用することが求められているのです。

そこで本記事では、営業生産性を向上させるために今すぐ取り組むべきポイントを解説します。記事の最後では、営業生産性の向上を実現している「キーエンス社」と「サイバーエージェント社」の事例もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.営業生産性を向上させるには「分解」がポイント
    1. 1.1.例1:業務の分解
    2. 1.2.例2:提案の分解
    3. 1.3.例3:役割の分解
    4. 1.4.例4:顧客の分解
  2. 2.営業生産性を向上させている事例
    1. 2.1.キーエンス社
      1. 2.1.1.内勤日と外勤日の設定
      2. 2.1.2.商談外の時間の削減
      3. 2.1.3.ナレッジやツールの充実
      4. 2.1.4.ナレッジ共有文化の醸成
    2. 2.2.サイバーエージェント社
      1. 2.2.1.個人パフォーマンスを最大化するための役割分担
      2. 2.2.2.顧客対応優先度の設定
  3. 3.営業生産性向上に向けた組織変革に活用できる「ナレッジワーク」
  4. 4.営業生産性に関するよくある質問
    1. 4.1.営業部門のKPIはどうあるべき?
    2. 4.2.営業戦略に従わない従業員の軌道修正はどうすればいい?
    3. 4.3.ナレッジを育てる優先順位はある?
    4. 4.4.効率性を求めてツールを導入すると考えて仕事をしなくなるのでは?
    5. 4.5.SFAツールを導入したが営業が使いにくい場合はどうすればいい?
    6. 4.6.社員の資料作成力が弱い場合、何からテコ入れするべき?
  5. 5.まとめ:今後の営業組織には営業生産性の向上が重要

営業生産性を向上させるには「分解」がポイント

業務効率、提案品質、役割分担、顧客優先度の視点が足りない営業組織が生産性を向上させるためには、まず業務や組織を「分解」し、施策を明確にすることが大切です。

  • 業務の分解

  • 提案の分解

  • 役割の分解

  • 顧客の分解

ここからは、上記4つの分解方法と分解後のあるべき姿をご紹介します。

例1:業務の分解

まず、1つ目が「業務の分解」です。顧客商談、社内会議、資料作成、上司報告など、すべての業務をそれぞれ洗い出し、どこに業務時間を投下すべきかを明確にしましょう。


日本企業の営業担当者は、商談準備や社内業務に多くの時間を使っており、商談に十分な時間を避けられていません。米国のMcKinsey & Company社が2021年に発表したレポート「日本の営業生産性はなぜ低いのか」によれば、日本の典型的なB2B企業において、営業担当者が商談に費やす時間はわずか10〜25%というデータが示されています。

出典:McKinsey & Company社「日本の営業生産性はなぜ低いのか」

こういった非効率な業務により業務時間が圧迫されている「不要業務圧迫症」を解決するためには、成果を生み出す「顧客商談」を増やし、「商談前後」の時間を減らすことが重要です。

具体的に、よく見られる状況としては以下のようなものが挙げられます。

よく見られる状況

業務分解後のあるべき姿

長時間の社内会議・資料作成

参加メンバーの限定・会議時間の短縮

大人数での商談同行

商談同行人数の最小化

既存業務フローへの固執

柔軟な業務フローの変更

業務を分解することで、このように業務時間の使い方のあるべき姿が自然と明確になります。

例2:提案の分解

2つ目は「提案の分解」です。利益率や効率の低い提案が頻発している「無益提案頻発症」を解決するには、「具体的にどのような提案を行えば利益率や効率を最大化できるのか」を考える必要があります。

たとえば、単一商品を提案するプロダクト営業よりも、顧客の課題を解決できる複数商品を組み合わせたソリューション提案を行う方が、受注単価を高められます。

アプローチする会社の数を増やすことは、必ずしも営業生産性の向上につながるわけではありません。むしろ、対応しなければならない社数が増えることで、営業担当者の負担が増え、業務効率が低下してしまう可能性もあります。

一方、顧客ごとの受注単価を上げられれば、営業担当一人あたりの売上や利益を向上させられるうえに、営業活動の効率化にもつながり、営業生産性の向上に大きく貢献するでしょう。

具体的に、よく見られる状況としては以下のようなものが挙げられます。

よく見られる状況

業務分解後のあるべき姿

受注単価の低い単一商品提案


複数商品を組み合わせたソリューション提案


提案資料のフルカスタマイズ


提案書の共有・型化による効率化


値引きによる商品提案

商品価値の伝達による定価販売


例3:役割の分解

3つ目は「役割の分担」です。幅広い役割によりパフォーマンスが低下している「過剰役割疲弊症」を解決するためには、しっかりと役割分担を行い、各担当が何の役割を担うべきかを考える必要があります。

たとえば、営業生産性の低い組織では、営業マネージャーが管理する業務範囲が広過ぎるあまり、マネジメント不全になりやすい傾向にあります。そこで、オペレーション担当やトレーニング担当、ナレッジ担当といったように、細かく役割を分担することで、マネジメントの分割管理ができるほか、パフォーマンスの向上にもつながるのです。

具体的に、よく見られる状況としては以下のようなものが挙げられます。

よく見られる状況

業務分解後のあるべき姿

事務作業による役割圧迫

営業担当の顧客対応専念

必要なスキルや知識の学習不足

役割に応じた学習内容の限定・明確


マネジメント不全

マネジメント範囲の分割管理


例4:顧客の分解

4つ目は「顧客の分解」です。利益の出ない営業赤字となる顧客が存在する「顧客奉仕狂酔症」を解決するためには、顧客を分解し「どの顧客に注力すべきか」を見極める必要があります。

具体的には、利益率や受注率といった指標をもとに既存顧客をタイプ分けし、そのタイプごとに対応優先順位を明確化しましょう。これにより、限られたリソースを効率的に活用でき、戦略的なアプローチが可能になります。

高い利益率や受注率の顧客に重点的にフォーカスし、顧客ごとに最適な提案やサービスを展開することで、売上の拡大にもつながります。

具体的に、よく見られる状況としては以下のようなものが挙げられます。

よく見られる状況

業務分解後のあるべき姿

会いやすい顧客優先対応

成果指標に基づいた対応優先度の策定

赤字顧客との継続取引

取引関係の長期的な見直し

顧客要望ごとの独自業務プロセス

標準業務プロセスでの対応


営業生産性を向上させている事例

ここからは、営業生産性を向上させている「キーエンス社」と「サイバーエージェント社」の事例をご紹介します。

「営業生産性向上を実現するには、具体的に何をすればいいのかわからない」という方は、今回ご紹介する6つの事例から、自社に取り入れられそうなものはないかをチェックしてみてください。

キーエンス社

キーエンス社では、以下4つの仕組みを構築することで、営業生産性の向上を実現しています。

  • 内勤日と外勤日の設定
  • 商談外の時間の削減
  • ナレッジやツールの充実
  • ナレッジ共有文化の醸成

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

内勤日と外勤日の設定

キーエンス社は内勤日と外勤日を定めることで、商談時間の増加を実現しています。たとえば、商談準備や顧客への連絡は週に1日のみ行い、他の曜日はすべて顧客商談に充てるといったものです。

営業活動を行っているとどうしても移動時間がロスになってしまいますが、同社は移動時間をできるだけ減らし、無駄をなくしていこうという考えのもと、この仕組みを構築しています。

このように、あらかじめ時間をコントロールしておくことで、社内業務を効率的に行いながら、商談時間を確保しているのが同社の特徴です。



商談外の時間の削減

同社はまた、不要な社内会議には参加しないことで、商談外の時間を削減しています。同社では、業務時間内で効率的に仕事を進めるために「時間チャージ」という働き方を採用しています。

この時間チャージとは、1時間あたりで生み出さなければならない粗利のことで、社員は常に「この業務でいくらの粗利が生み出せるか?」を自問自答して行動しています。

こういった文化が浸透している同社では、社内業務や商談準備にはほとんど時間をかけず、粗利に直結する顧客商談に多くの時間を充てているのが特徴です。

ナレッジやツールの充実

同社はナレッジやツールを充実させることで、営業生産性を向上させています。カタログやデモ機、お役立ち事例など、価値提案のための販促ツールが充実して用意されているのが特徴です。

たとえば、営業担当が新製品を受注した際はその日のうちに受注事例を全社員に展開し、翌日には全員が話せる状態にしておく、同社はこういったナレッジにとくに力を入れています。

ナレッジ共有文化の醸成

同社では、ナレッジ共有文化が醸成されているため、社内ナレッジを活用すれば誰でも効果的に提案できる仕組みが構築されています。これにより「年収500万円と年収1,500万円の人がいての平均年収1,000万円」といった単なる平均値ではなく、全社員が均等な年収を達成できる環境となっています。

また、同社はナレッジ共有への貢献を業績評価に組み込むことで、社内ナレッジ共有・活用を促進しているのも特徴です。

サイバーエージェント社

サイバーエージェント社では、以下2つの仕組みを構築することで、営業生産性を向上させています。

  • 個人パフォーマンスを最大化するための役割分担
  • 顧客対応優先度の設定

以下で詳しく解説していきます。

個人パフォーマンスを最大化するための役割分担

サイバーエージェント社では、フロント部門と専門サポート部門の2部門で役割分担を行い、個人パフォーマンスの最大化・人材の早期戦力化を実現しています。

サポート部門には、レポーティング、広告制作、提案書作成、広告運用など、それぞれの役割に専門性を持っている人たちが集結しています。たとえば、営業/コンサル担当が顧客商談で使う提案書は、提案書作成の専門部隊が準備する仕組みです。

こういった役割分担の徹底により、営業/コンサル担当の負担を軽減し、顧客とのコミュニケーションやアフターフォローなどに充てる時間をうまく捻出しています。

顧客対応優先度の設定

サイバーエージェント社における営業生産性の向上に向けた2つ目の取り組みは、顧客対応優先度の設定です。同社では、売上目標(予算)を達成するために、あらかじめ顧客を分解し対応優先度を決めています。

「どういった顧客セグメントで、どれくらいの売上を作るのか」「受注率はどの程度で、受注金額はいくらか」をすべて決めてから行動することで、効率的かつ生産性の高い営業組織を構築しています。

営業生産性向上に向けた組織変革に活用できる「ナレッジワーク」


商談活動の効率化・資料発見の効率化を実現するためには、株式会社ナレッジワークが提供するセールスイネーブルメントクラウド「ナレッジワーク」の活用が有効です。

ナレッジワークは、営業力強化に必要なさまざまな要素を、1つのツールで体系的に実現でき、営業活動の効率化や生産性向上が期待できます。

営業資料やノウハウ、成功事例などの社内ナレッジを、ツール上でスピーディーに発見・活用・共有できるようになっているため、これまでのように資料検索に時間がかかるなどの非効率的な業務を最適化できるのが特徴です。

さらに、ナレッジワークには特定の条件で絞り込んでファイルを検索できる「カテゴリー検索」や、ファイルを開かなくてもカーソルを合わせるだけで中身が確認できる「ファイルプレビュー」など各種機能も搭載されています。

別の記事で紹介した4つの症例のなかでも、「不要業務圧迫症」「無益提案頻発症」のどちらかに当てはまる企業は、ナレッジワークを活用することで営業生産性の大幅な向上が期待できるでしょう。

営業生産性に関するよくある質問


ここからは営業生産性における「よくある質問」を6つご紹介します。

  • 営業部門のKPIはどうあるべき?
  • 営業戦略に従わない従業員の軌道修正はどうすればいい?
  • ナレッジを育てる優先順位がある?
  • 効率性を求めてツールを導入すると考えて仕事をしなくなるのでは?
  • SFAツールを導入したが営業が使いにくい場合はどうすればいい?
  • 社員の資料作成力が弱いのだが、何からテコ入れするべき?

それでは1つずつ見ていきましょう。

営業部門のKPIはどうあるべき?

営業部門のKPI設定する前に、まずは戦略を明確にすることが大切です。効果的なKPIは「誰に(顧客ターゲット)」「何を(商品・サービス)」「どのように(営業プロセス)」の3つの基本要素にもとづいて設計されるべきです。この戦略的な枠組みをもとに、営業プロセスが計画通りに進行しているかを測定するためにKPIが用いられます。

KPIが先行してしまい、とにかく量を増やそうとする営業組織もありますが、これは営業生産性をマイナスに働かせてしまう可能性があります。そうならないためにも、まずは「誰に・何を・どのように」といった戦略をしっかりと立て、その戦略を組織全体に浸透させる必要があるでしょう。

営業戦略に従わない従業員の軌道修正はどうすればいい?

まずは、過去の感性を振り払うことが重要になります。とくに、営業の世界は数字が全てを物語るため、受注のプロセスを明確なルールによって管理することが不可欠です。

営業担当者は往々にして、どんな機会も逃したくないという心理に駆られ、ターゲット層外の案件も積極的に受注しようとしますが、これでは効率的な営業活動を行えません。

効率的かつ生産性の高い営業活動を実現するためには、まず顧客ターゲットを明確にルール化し、それにもとづいて優先順位を設定することが重要です。これにより、限られたリソースを最も効果的に活用し、戦略的なアプローチを実現できるようになります。

ナレッジを育てる優先順位はある?

ナレッジを育てる際の優先順位として、まず最も重要なのは「商品紹介資料」です。一般的に商品紹介資料には、商品の機能や性能が中心に記載されがちですが、本質的に顧客が求めているのは「課題解決」の部分です。

したがって、商品紹介資料には、商品が提供する「理想・課題・価値」を明記し、それをもとに機能や性能がどのように課題解決に役立つかを示すことが重要となります。

また、顧客事例資料を整えることも大切です。たとえば、スライド1枚に顧客事例をまとめて、メンバー全員がしっかりと話せるようにしておく、こういった部分の徹底も営業生産性を向上させるうえでは効果的でしょう。

ナレッジを育てる目的や方法について、さらに詳しく知りたい方は、株式会社ナレッジワークCEOの麻野が出版した書籍「NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則」をご覧ください。

効率性を求めてツールを導入すると考えて仕事をしなくなるのでは?

ツールやナレッジが整うことでメンバーのレベルが低下するというのは全くの幻想です。

たとえば、ナレッジにとくに注力しているマッキンゼー社のような大手企業では、ナレッジへの貢献度が評価の重要な要素となっています。このような仕組みは、組織全体の知識基盤を強化し、結果として新卒メンバーが大手企業向けの高度な戦略コンサルティングを行えるレベルにまで成長することを可能にしています。

こういった事例からも分かるように、ナレッジやツールが整備された組織において人のレベルが下がることはほとんどありません。むしろ、ITツールの導入は社員全員の知識とスキルの向上に寄与し、組織全体のパフォーマンスを高める効果があります。

SFAツールを導入したが営業が使いにくい場合はどうすればいい?

基本的には、現場部門が主導してITツールの導入を検討していかなければなりません。一方で、現場のスタッフも新しいやり方に慣れるまでは不便さを感じるのは当然だということを認識しておく必要があります。

多くの営業組織では、使いにくいと感じたらすぐに諦めてしまう傾向がありますが、米国ではシステムに合わせてプロセスを変更し、現場に徹底させるのが一般的です。日本では、組織がボトムアップであるため、現場の意見が尊重されやすいのですが、それが逆に足かせになっている場合もあります。

ITツールを導入したら、まずは「最低でも1〜2年、徹底して使ってみる」、そうすることで少しずつ便利さを感じられるものです。

社員の資料作成力が弱い場合、何からテコ入れするべき?

ナレッジには「現場の横同士で共有するナレッジ」と「各部門がトップダウンで資料を下ろしていくナレッジ」の2種類があります。

とくに、現場の提案能力が不足している場合は、営業企画部門・マーケティング部門・製品部門が売れる事例資料を作成し、それを現場のメンバーに落とし込んでいくことが大切です。しかし、日本の多くの営業部門では、この点が十分に強化されていないのが現状です。ほとんどの企業が、単に営業ラインに人員を増やすことで売上が伸びるという誤った考えにもとづいて運営されており、結果として生産性の低下を招いています。

このような状況を改善するためには、コンテンツ部門へのスタッフの投資が重要です。商品資料や事例資料、提案フォーマットを整えるコンテンツ部門に注力した方が最終的に全員が売れる組織になる、つまり営業生産性向上を実現できるのです。

まとめ:今後の営業組織には営業生産性の向上が重要

本記事では「業務効率」「提案品質」「役割分担」「顧客優先度」の視点が足りない営業組織が生産性を向上させるための業務・組織の「分解」方法と、大手企業の事例をご紹介しました。

商談活動の効率化・資料発見の効率化を実現するためには「ナレッジワーク」の活用が有効です。営業力強化に必要なさまざまな要素を、1つのツールで体系的に実現できるため、営業活動の効率化や営業成果の向上が期待できます。

「商談準備に時間がかかり過ぎている」「社内にナレッジは蓄積しているもののうまく活用できていない」とお悩みの企業様は、3分でナレッジワークでできることがわかる資料をご用意しておりますので、一度確認してみてください。



ナレッジワーク 編集部
ナレッジワーク 編集部
セールスイネーブルメントや営業DX、営業生産性の向上に関するコンテンツを発信しています。弊社のナレッジやイベントレポートを通して、日本の営業組織変革のお役立ちできる情報をお届けします。

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