NEW SALESに必要な7つのS|新時代の営業担当者が求められるもの

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世の中の経済状況は日々変化しており、人々が必要としているものやサービスもそれに合わせて変化しています。

テレビや冷蔵庫などの家電がまだあまり普及していなかった「高度経済成長期」に比べ、さまざまなモノであふれている今は、人々が何を必要としているのかを見極めるのが難しい時代です。

営業の方法も時代に合わせて変化しなければなりません。

本記事では、新時代のニーズに合わせたNEW SALES(新しい営業)について解説します。
営業担当者が取り組むことのできる具体的な方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.NEW SALES(新しい営業)の概要
  2. 2.NEW SALESが求められる理由
  3. 3.NEW SALESに必要な営業の7つのS
  4. 4.新時代の営業担当者が求められるもの
    1. 4.1.Story(物語を売る)
      1. 4.1.1.STEP1:理想
      2. 4.1.2.STEP2:課題
      3. 4.1.3.STEP3:価値
      4. 4.1.4.STEP4:方法
      5. 4.1.5.顧客事例の効果的な見せ方
    2. 4.2.Surprise(驚きを届ける)
      1. 4.2.1.データ情報
      2. 4.2.2.トレンド情報
      3. 4.2.3.セグメント情報
      4. 4.2.4.Scenario(顧客が主役の台本で動く)
    3. 4.3.Sympathy (顧客のキャラクターに合わせる)
  5. 5.まとめ


NEW SALES(新しい営業)の概要

今、日本企業の営業の生産性は極めて低い状況にあります。ある調査によると、日本企業の営業ROI(投資利益率)は、ほぼ全業種で国際水準と比べて低いことが分かっています。

また、ある調査では企画職や技術職、事務職よりも仕事満足度のランキングは低くなっています。

本記事では、これらの営業生産性の低さや仕事満足度の低さを生み出している営業手法を変える、新しい営業「NEW SALES」についてお伝えします。

NEW SALESが求められる理由

NEW SALES(新しい営業)が必要である理由は、生産性・満足度が低い日本の営業活動を変えていく必要があるからです。

その背景として、営業職は日本の労働人口約10%を占めているにもかかわらず、日本の営業組織には課題が多く生産性が低いと言われています。

世界的に最大規模の経営コンサルティングを行うMcKinseyのレポートによると、日本の営業組織は、ほぼ全業種において営業のグローバル水準より下回っているというデータがあります。

例えば、営業活動に当てている時間が他国は労働時間の約半分であるのに対し、日本の企業は10%程度です。営業準備や営業とは関係ない社内業務に多くの時間を取られていることが、生産性を落とす原因となっています。

また、営業職に就いている個人の仕事に対する満足度が低いことも、NEW SALES(新しい営業)が必要である理由の一つです。

人生の中で働くことに費やす時間は決して少なくありません。営業にかかわる仕事に就く人々が、働くことを「面白い」、または「楽しい」と思える環境を作ることにより満足度を向上させる必要があります。

NEW SALESに必要な営業の7つのS

ここでは、NEW SALESを実現するのに必要な営業の7つのSについてご紹介します。

営業担当者向けの4つのSと営業管理職向けの3つのSがあり、営業担当者向けのSからは営業担当個人が自分でも対応できるSについて知ることができます。

一方、営業管理職向けのSからは、営業管理職がチームや組織を通じてどんなことを実現しなければならないかが分かります。

  1. Story(物語を売る)
  2. Surprise(驚きを届ける)
  3. Scenario(顧客が主役の台本で動く)
  4. Sympathy(顧客のキャラクターに合わせる)
  5. Share(再現性のあるチームづくり)
  6. Score(データを活用した科学的なチームづくり)
  7. Significance(意義報酬のあるチームづくり)


新時代の営業担当者が求められるもの

本記事では、NEW SALESの実現に必要な営業の7つのSのうち、営業担当者に求められる4つのSをご紹介します。

  1. Story(物語を売る)
  2. Surprise(驚きを届ける)
  3. Scenario(顧客が主役の台本で動く)
  4. Sympathy(顧客のキャラクターに合わせる)

Story(物語を売る)

営業担当者に必要な1つ目のSはStory(物語を売る)です。

OLD SALESにおいて、営業担当は「商品を売る」ことに焦点を当てて営業活動を行っていました。
しかし、NEW SALESでは商品を売るのではなく「物語を売る」、つまり顧客にとって良い提案をするという考え方が必要です。

まず、顧客は商品ではなく「理想」を買いたいと思っているという考え方を持ちましょう。理想を実現するためには「課題」を解決しなければならず、そのために「価値」を提案してもらう必要があります。そして、価値を提供するためには「方法」を選択しなければならないのです。

Story(物語)に含まれる4つのステップについて、経営幹部向けの研修を売りたい場合を例にし、以下に詳しく解説します。

STEP1:理想

STEP1は、顧客が自社や自分の理想の状態を思い浮かべることです。

例えば、経営幹部向けの研修を売りたい場合、顧客は経営幹部のマネジメント力を向上させたいという理想を持っているという仮説を立てることができます。

顧客は必ずしも明確な理想を持っているとは限りません。営業担当者の方から顧客の持っていそうな理想の例を伝え、理想の魅力に気づいてもらう必要があります。

STEP2:課題

STEP2における顧客のアクションは、理想と現状の差を認識することです。

先の例でいうと、この段階において顧客は現在実施している経営幹部向けの研修で十分な効果が得られていないと気付くことになります。

一方で、理想と同じく、課題も営業担当者の方から例を挙げる必要があるでしょう。というのも、商談で「御社の課題を教えてください」と顧客に聞いても、答えが返ってこないことは多々あるからです。

多くの顧客は自社の課題を認識できていないため、営業担当者は理想の例を伝えると同時に、理想を実現するために乗り越えなければならない課題も事前に仮説を立てておき商談を通して顧客に認識してもらう必要があります。

STEP3:価値

STEP3で顧客の取るアクションは、課題を解決するために、商品・サービスによって実現しなければならない効果を認識することです。

先に述べた例で自社の経営幹部向け研修における課題点を認識した顧客は、研修内容に現在よりも網羅性をもたせ、さらに研修後のフォローを充実させて実効性を高める必要があると感じるようになります。

STEP4:方法

最後にSTEP4で、顧客は課題を解決する価値を生み出すために、最適な方法として買うことを選択するというアクションを取ります。

先の顧客の場合、この段階でようやく、研修内容に網羅性があり、その後のフォローを丁寧にやってくれる実効性の高い経営幹部向けの研修を発注するに至ります。

以前の営業方法の1つであるプロダクト営業では、この「方法」部分のみを行っていました。商品の機能や性能を紹介し、顧客に購入するかどうかをすぐに決めてもらうというスタイルです。

NEW SALESでは、以前の営業スタイルと異なり、顧客は理想や課題、価値を把握するという過程を経たうえで「方法」を選択するという最後のSTEPを踏みます。

顧客事例の効果的な見せ方

Story(物語を売る)を実践するために、一般的な理想や課題を載せた資料を活用することができます。
さまざまな顧客に対して使用でき、商品紹介のみの資料を見せるよりも効果的な営業を行うことができるのがメリットです。
一方で、一般的な理想や課題の提示では、顧客からの共感を得られないことがあります。
そんな時に役に立つのが、顧客と同じまたは近い業種の事例です。

この場合の顧客事例には、まず課題を書いておき、次に導入・購買理由(価値)、具体的な取り組み(方法)、そして最後に効果(手に入れた理想の状態)を載せておくと効果的です。


Surprise(驚きを届ける)

営業のアポイント獲得において重要なのは、挨拶回りではなくSurprise(驚きを届ける)です。Surprise(驚きを届ける)とは、顧客にとって気づきや学びのある情報を届けることを意味します。

従来の営業では、顧客のご機嫌伺いをするために挨拶行くなどのアプローチが多くありましたが、現在は必要とされていないばかりかコロナなどの影響で直接の営業が難しいこともあります。

商談のチャンスを獲得するには、顧客の購買担当に会いたいと思ってもらうことが必要です。中でも会いたいと思ってもらえる有効な方法は情報を提供することです。とはいえ、近年ではネット上にも多くの情報があるので、より専門的にフォーカスした情報を持っていかなければならないというハードルがあります。

そのため、顧客にとって気づきや学びのある、データ情報やトレンド情報、セグメント情報があるとよいでしょう。
具体的にどんな情報のことなのか、以下に詳しく解説します。

データ情報

顧客にとって必要な理想や課題に気づいてもらうために、客観的なデータを提示することが重要です。

例えば、経営幹部向けの研修を営業するのであれば、上記の図のように客観的な研修に関するデータを提示することにより、研修内容への興味や好奇心を引き出すことができます。


トレンド情報

トレンド資料では、提供している商品・サービスに関する時代ごとのニーズや現代までの流れ、変化などを理論や事例を交えて提示すると良いです。顧客はトレンド情報から、自社の理想や課題に気づくことができます。

例えば、上記の図のように、昔は知識提供だけの研修でよかったが、後に意識改革、さらには行動までサポートする必要が生じるようになったという情報により、新しいニーズに応えた研修プログラムの必要性に気づいてもらうことができるのです。


セグメント情報

セグメント情報には、顧客企業の業界における課題の傾向や顧客企業の該当する成長ステージで起きやすい問題などが含まれます。

経営幹部のマネジメントが陥りやすい課題を直接いくつか伝えるのではなく、特定のセグメントに分類し、顧客に気づきを与えることが重要です。


Scenario(顧客が主役の台本で動く)

商談のチャンスを獲得し、良い提案ができても、営業を進行させていかなければ営業成果にはつながりません。

OLD SALESでは、営業ノルマなど営業担当者や自社の都合を理由に商品契約を押し込んでしまうようなこともありました。

一方、NEW SALESにおいては、顧客の意思決定のプロセスを踏まえた、顧客視点のシナリオが必要です。ハイパフォーマンスのできる営業担当者は以下のような顧客視点のプロセスに合わせて、資料などを活用しながら顧客の意思決定をサポートします。


Sympathy (顧客のキャラクターに合わせる)

顧客の心を動かすのに必要なのがSympathy (顧客のキャラクターに合わせる)です。営業担当者のキャラクターは重要ではなく、顧客のキャラクターに合わせてコミュニケーション方法を変えていく必要があります。

Sympathy (顧客のキャラクターに合わせる)を実現のためには、顧客側の関係者一人ひとりに着目し、それぞれの共感を呼び起こすことが重要です。

そのためには、相手がどんなことを感じているかを見定める必要があります。


例えば、購買担当者の中には4つの役割(運用者、利用者、管理者、決裁者)があり、それぞれの異なる考えを見定めることが必要になります。

結果として、目の前にいる担当者の役割に合わせて営業する内容や対応を決めていくことにより、高い成果を上げられる営業になれるのです。

まとめ

本記事では、新時代に合った営業になるために必要なNEW SALES(新しい営業)について詳しくご紹介しました。

物を売ることを目的とした営業ではなく、顧客の理想を叶えるための営業をすることにより、現代のニーズに合わせることができます。

そして、営業担当者は顧客視点で営業成果にいたるまでのストーリーを組み立て、顧客の必要とする情報や顧客に合わせた営業方法を活用し、NEW SALESの実現に取り組むことができます。

ナレッジワークのシステムは、非効率的で属人的なOLD SALESの営業スタイルから脱却し、データや実用的な動画・資料などに基づいたNEW SALES(新しい営業)により、営業環境の改善を図るお手伝いをいたします。

興味のある方は、ぜひ一度ナレッジワークにお問い合わせください。


ナレッジワーク 編集部
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セールスイネーブルメントや営業DX、営業生産性の向上に関するコンテンツを発信しています。弊社のナレッジやイベントレポートを通して、日本の営業組織変革のお役立ちできる情報をお届けします。

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