「営業×AI」の未来とは?ChatGPTを用いた営業デジタル化の実現方法をご紹介
社会全体で働き方改革やDXが推進されているなか、営業組織も「営業のデジタル化」を通じて業務効率化と生産性向上を追及する企業が増えてきました。
そんななか、とくに注目を集めているのが、米OpenAI社が開発した「ChatGPT」です。ChatGPTは、その能力の高さと柔軟性により営業業務の効率化に大いに寄与しており、今後ますますの発展が予想されています。
そこで、本記事ではChatGPTを活用した「営業×AI」の実現により、営業活動が今後どのように変化していくのかを具体的に解説していきます。これからAI活用を検討している方向けに「営業×AI」の実現方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.「営業×AI」の未来で起こると予想されること
- 1.1.そもそも営業の業務内容とは?
- 1.2.「顧客管理」における変化
- 1.2.1.顧客管理の基本的な業務
- 1.2.2.顧客管理業務の現状の課題
- 1.2.3.顧客管理の変化①:顧客管理システムへの入力
- 1.2.4.顧客管理の変化②:個別顧客の情報収集
- 1.2.5.顧客管理の変化③:顧客リストの作成
- 1.3.営業ナレッジにおける変化
- 1.3.1.営業ナレッジの基本的な業務
- 1.3.2.営業ナレッジの現状の課題
- 1.3.3.営業ナレッジの変化①:提案書や見積書などの資料作成
- 1.3.4.営業ナレッジの変化②:商談に向けた資料検索や情報収集
- 1.3.5.営業ナレッジの変化③:商談に向けた社内打ち合わせ
- 1.4.営業プロセスにおける変化
- 1.4.1.営業プロセスの基本的な業務
- 1.4.2.営業プロセスの現状の課題
- 1.4.3.営業プロセスの変化①:顧客との商談
- 1.4.4.営業プロセスの変化②:顧客への個別連絡
- 2.「営業×AI」の実現方法
- 2.1.AI活用に対してオープンな組織方針の決定
- 2.2.組織体制の強化
- 2.3.業務への組み込みの設計
- 3.営業×AIを実現するならナレッジワークの導入を
- 4.まとめ:営業×AIを実現し生産性の向上を
「営業×AI」の未来で起こると予想されること
ChatGPTに限らず、AIは今後さらに発展していくことが予想されますが、営業という職種に絞った場合、どのような変化がもたらされるのでしょうか。
ここでは、「営業×AI」を実現することで、営業活動がどのように変化していくのかを、現代の営業が抱える課題とともに解説していきます。
そもそも営業の業務内容とは?
前提として、営業活動は「誰に(=顧客管理)」「何を(=営業ナレッジ)」「どのように(=営業プロセス)」売るかで構成されています。
営業活動の構成要素 |
説明 |
---|---|
誰に(=顧客管理) |
顧客の会社情報や商談情報、行動情報などの一元管理 |
何を(=営業ナレッジ) |
営業資料やノウハウ、成功事例など営業活動において必要な情報知識の集合体 |
どのように(=営業プロセス) |
顧客選定→日程調整→商談準備→商談→商談記録→契約といった一連のフロー |
これからは、上記のような営業活動に関するすべての業務をデジタル化し、営業の効率性・戦略性を高めていくことが求められます。
「顧客管理」における変化
「営業×AI」が実現すると、顧客管理においては業務の「分業化」が起こると見込まれています。人力で行われている業務の約8割をAIが担うことで、結果として顧客管理業務の効率化を実現できます。
ここからは、顧客管理の「分業化」について、現状の課題と照らし合わせながら詳しく見ていきましょう。
顧客管理の基本的な業務
まず、顧客管理における具体的な業務は主に以下3つが挙げられます。
顧客管理業務はBtoB、BtoC問わずほぼすべての企業が行っている業務だと考えられますが、営業×AIの未来では、これら3つの業務の効率化が図られるようになります。
顧客管理業務の現状の課題
現状の顧客管理業務における主な課題は、業務効率が悪いことです。
株式会社ナレッジワークが2022年に実施した「日本の営業に関する意識・実態調査」では、営業担当者が効率が悪いと感じる業務の上位に「顧客管理システムの入力」と「顧客リストの作成」の2つがランクインしました。
この結果からもわかるように、実際の営業現場では顧客管理に付随する業務が最も効率が悪いと見なされており、顧客管理業務の効率化が急務とされています。
顧客管理の変化①:顧客管理システムへの入力
まず、顧客管理システムの入力に関しては、AIの活用により顧客情報の入力作業が半自動化されると考えられます。
これは、営業担当者が商談や電話などを通じて顧客と接触する際、AIがその会話内容を文字に起こして要約し、顧客管理システムに情報を入力・更新する役割を果たすということです。そして、入力された情報を人間がチェックし、必要に応じて修正するといった業務の役割分担が行われることで、業務効率化の向上が期待できます。
顧客管理の変化②:個別顧客の情報収集
個別顧客の情報収集においては、AIの活用により情報収集および要約の自動化が期待されています。
具体的には、情報収集して欲しい顧客をAIに指示することで、AIがその顧客に関する情報をWeb(ニュースサイト)や専門ツールから収集し、わかりやすい文章に要約してくれるといった使い方です。営業担当者は、AIから提供された情報を確認し、必要に応じて修正依頼をかけられます。
文章要約サービスはすでにいくつか存在していますが、今後のポイントは回答形式などを条件付けしながら、自分の望む形になるまで何度でも修正指示を出せることです。
顧客管理の変化③:顧客リストの作成
顧客リストの作成においては、AIを活用した半自動化が期待されています。
具体的には、求める顧客リストの要件をAIに伝えることで、AIが顧客管理システム内の情報を調べ、条件に合致する顧客をリストアップする役割を担います。
たとえば、「〇〇という機能を持つ新商品Aの、提案先リストを作成してください」という要件をAIに伝えると、AIはそれに合致する顧客を顧客管理システムから見付け出してリスト化してくれるのです。そして、営業担当者は生成された顧客リストをチェックし、条件に合わない部分があれば指摘して再度修正依頼ができます。
このように、AIを活用することで顧客リスト作成のプロセスを一部自動化できるため、これまで顧客リストの作成にかかっていた工数を大幅に削減できるのです。
営業ナレッジにおける変化
「営業×AI」が実現すると、営業ナレッジ領域では業務の「共有化」が期待できます。占有化されてきたナレッジがAIを通じて共有されることで、すべての営業担当が発見・活用しやすい状態になることが実現できます。
ここからは、営業ナレッジの「共有化」について、現状の課題と照らし合わせながら詳しく見ていきましょう。
営業ナレッジの基本的な業務
営業ナレッジに関する具体的な業務は、主に以下3つが挙げられます。
営業×AIの未来では、これら3つの業務の生産性向上が図られるようになります。
営業ナレッジの現状の課題
営業ナレッジ業務においては、「社内全員がナレッジを有効に活用できていない」ことが課題となっています。
米SiriusDecisions社が2015年に発表した「企業内の営業ナレッジ活用状況」によれば、企業内の営業ナレッジの6割以上が「発見不可能」または「使用不能」という結果が出ており、営業ナレッジの共有方法に課題があることが明らかになっています。
こういった課題を解決するためには、営業ナレッジを社員全員が簡単に発見して活用できる状態で共有することが重要です。
営業ナレッジの変化①:提案書や見積書などの資料作成
「提案書や見積書などの資料作成」業務に関しては、AIの活用により最適な提案書のサジェストが実現されると予想されます。
具体的には、営業担当が作成したい提案書の情報をAIに伝えることで、過去の資料から適切な提案書を見つけ出す役割を担うことが可能です。
たとえば、「〇〇という商品を金融業界向けに提案したい」と伝えた場合、AIが過去の提案書のなかから、文章や画像を読み込んで条件にマッチする最適な提案書をサジェストしてくれるようになります。
これにより、営業担当者は新規提案のたびにゼロから資料をつくる必要がなくなり、商談準備にかかる時間を大幅に削減できます。
営業ナレッジの変化②:商談に向けた資料検索や情報収集
「商談に向けた資料検索や情報収集」業務においては、AIの活用により社内ナレッジの総動員化が期待されています。
たとえば、「〇〇といった課題を抱えるお客様の初回商談では何を準備するべきか」という質問を投げかけると、AIが社内にあるナレッジの情報をもとに必要な商談準備を教えてくれるという使い方です。
これにより、商談準備に必要以上の時間をかけたり、準備不足で商談を進められなかったりといった課題を解消できます。また、自分自身や同僚の経験だけでなく、社内ナレッジを総動員した商談準備ができるため、より成果につながりやすい営業活動が実現できるでしょう。
営業ナレッジの変化③:商談に向けた社内打ち合わせ
「商談に向けた社内打ち合わせ」に関しては、AIによる代替が期待されています。
具体的には、過去の社内打ち合わせの内容を記録として保存しておくことで、AIがそれを参考に具体的な状況とそれに基づくアドバイスを生成する役割を担うということです。
たとえば、営業担当者が「先方の担当者とは合意できているものの、なかなか先に進まない」と相談した場合、AIは過去の社内打ち合わせの記録から得られる上司のアドバイスと、一般的な情報を組み合わせて適切なアドバイスを生成します。
これにより、営業担当者は上司のスケジュールに左右されず、自分のタイミングで商談を進められるようになる他、上司側の工数も削減できるため社内打ち合わせの効率化が期待できます。
営業プロセスにおける変化
「営業×AI」の実現により、営業プロセスの領域では「AIの助言による業務の最適化」が見込まれています。
これまで営業担当ごとに属人化されていた営業プロセスですが、AIの客観的なアドバイスをリアルタイムで受けることで標準化され、組織全体の営業力強化や生産性向上が実現できるでしょう。
ここからは、営業プロセスの「AIの助言による業務の最適化」について、現状の課題と照らし合わせながら解説していきます。
営業プロセスの基本的な業務
営業プロセスに関する具体的な業務は、主に以下3つが挙げられます。
営業×AIの未来では、これら3つの業務の最適化が図られるようになります。
営業プロセスの現状の課題
営業プロセス業務においては、「再現性のある営業プロセスが行われていない」ことが課題となっています。
株式会社アイ・ティ・アールが2018年に公開したホワイトペーパー「営業課題の解決に向けたSalesTechの考察」によれば、経営目線での営業組織の最重要課題に「販売方法の属人化」が上位に位置しており、深刻な問題となっていることが伺えます。
こういった課題を解決するためには、AIの活用による営業プロセスの最適化が重要です。
営業プロセスの変化①:顧客との商談
「顧客との商談」においては、AIの活用による商談中のアドバイス生成が期待されます。
これは、商談中の音声情報をAIに自動で読み込ませ、その状況に合わせて必要なアドバイスを提供してもらうといった使い方です。具体的には、ヒアリング事項の提示や説明すべき機能の提示、参考資料の提示などが挙げられます。
これにより、商談中でも客観的な視点からのアドバイスをリアルタイムで受けられるようになるため、営業担当者は効果的な商談を実現できます。
営業プロセスの変化②:顧客への個別連絡
「顧客への個別連絡」に関しては、AIの活用によるネクストステップのフォローが期待されています。
これは、次に何をすべきかといった「ネクストステップ」をAIがアドバイスしてくれるもので、とくに商談前後で活用できます。
たとえば、商談後の御礼メールをAIに自動で作成してもらう他、商談議事録や顧客管理システムの入力情報から「次回アクションとして〇〇を盛り込みましょう」といったネクストアクションの提示も受けるなどの使い方です。
これにより、営業担当者は文章作成にかかっていた時間を短縮し業務効率化が図れます。
「営業×AI」の実現方法
ここまで、AIが営業活動にもたらす影響について解説しました。では実際に「営業×AI」を実現するためにはどうすれば良いのでしょうか。
本章では、営業×AIを実現させるために重要となる3つのポイント「組織方針/組織体制/現場利用」を詳しく解説していきます。
AI活用に対してオープンな組織方針の決定
「営業×AI」を実現するためには、AI活用に対してオープンな組織方針を決めることが重要です。
今後、企業や組織はAI活用を「リスク」と捉えるか「機会」と捉えるかの2パターンに分かれると考えられています。実際、AIには情報漏洩や事実誤認などの「リスク」が存在しますが、その一方で生産性の向上や新しい機会の創出など、さまざまなメリットがあります。
営業×AIの実現には、まずAI活用に対する考え方・捉え方を見直していくことがポイントです。
今後はAI活用に対してどれだけオープンな組織方針を示せるかが「営業×AI」を実現する上で重要なファーストステップとなるでしょう。
組織体制の強化
「営業×AI」を実現するための2つ目のポイントは、営業のスタッフ部門を強化し、営業担当の生産性向上を重視した組織体制を築くことです。
重要なのは単に営業担当の数を増やすのではなく、個々の営業担当がより成果を上げられる環境をつくるということです。
従来は、営業担当の「人数」を重視した組織体制が敷かれていましたが、今後は「生産性」を重視した組織体制へと転換し、営業一人ひとりの生産性向上を追及していく必要があります。
AIやその他のテクノロジーを活用する上では、このようなラインの生産性を重視した組織編成が重要です。
業務への組み込みの設計
「営業×AI」を実現するための3つ目のポイントは、AIを業務に組み込み、現場で効果的に活用できる環境を整えておくことです。
組織方針や組織体制を整備し、いざAIを活用しようとしても、営業担当の「自主性」に任せていてはなかなか組織全体の生産性向上にはつながりません。
そのため、すべての営業担当者における実用性を担保するという意味では、AIをいかに「標準的」な業務に組み込んでいけるかが重要となります。
営業×AIを実現するならナレッジワークの導入を
株式会社ナレッジワークは、「誰に・何を・どのように」の「何を=営業ナレッジ」を共有化するためのサービス「ナレッジワーク」を提供しています。
ナレッジワークは、社内に営業ナレッジは存在しているものの、それをうまく活用できていないという企業の課題に着目して開発した「セールスイネーブルメントツール」です。
具体的なサービスの一つ「ナレッジ領域」では、営業資料や営業ノウハウをプロダクト上でスピーディーに発見・活用・共有できる各種機能が備わっており、企業の営業生産性向上に役立てられています。
以下には、ナレッジワークに搭載されている機能の一部を載せています。
機能 |
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また、ナレッジワークはChatGPTとも連携しているため、資料を探すだけでなく質問をすることも可能です。
事実誤認のリスクがあると言われているChatGPTですが、ナレッジワークはどの資料をもとに回答したかの参考資料まで提示してくれるため、情報の正確性を担保できる点も特徴です。
まとめ:営業×AIを実現し生産性の向上を
本記事では、ChatGPTの特徴とAIがもたらす営業の未来について解説しました。
ChatGPTをはじめとするAIは近年急速に発展しており、さまざまな分野で活用されるようになりました。
今後、営業組織におけるAI活用もさらに拡大すると見込まれており、営業生産性を考えるにあたって、避けては通れないツールになると考えられます。しかし、一度にすべての領域をAIにシフトチェンジしていくのは難しいため、自社の特徴に合わせてAIツール導入の優先順位を決めることが重要です。
その一つとして、ナレッジ領域では「ナレッジワーク」と呼ばれるツールを導入することで、営業ナレッジをスピーディーに発見・活用・共有できる仕組みを構築できます。
「商談準備に時間をかけたくない」「社内にある営業ナレッジを有効活用したい」とお悩みの企業様は、3分でナレッジワークでできることがわかる資料をご用意しておりますので、一度確認してみてください。